楽譜には指番号が所々に書かれていますが、指番号って守った方がよいとわかっていても、ついつい違う指番号で弾いてしまうし、守るということに窮屈さを感じますよね💦
さらに「私はこっちのほうが弾きやすい」と感じる方もいるだろうし、「音を読むだけで大変なのに指番号まで守るの?」て指番号まで書いてあることに少し腹が立ったり…笑
今回はそんな指番号に対してあまりよく思わない方々のために、指番号についての考え方と、講師がどうして指番号にうるさいのかについてご紹介していきますね。
記事の目次
指番号は作曲家からの思いやり
私たちが、つい鬱陶しく感じてしまう指番号ですが、実はそれは作曲者から演奏者に対する思いやりなんです。
それは次のことを考えて書かれています。
- メロディーが切れずに弾けるため
- 手の移動が最低限で弾ける(シンプルな動きで弾ける)
- 純粋に弾きやすさ
1.メロディーが切れずに弾けるため
そうなんです!これは特に右手に言えることですが、自分流の指番号で弾いてメロディーをつなげて弾きたいのに途中で「ブツッ」て切れちゃう経験をされた方はいらっしゃいますか?
左手はともかくメロディーを弾く右手は綺麗に繋げて弾きたいものですよね。ぶつぶつ切れてしまう指使いで弾いていては、自分的には弾きやすくても、いくら練習しても綺麗に弾き事ができないのです。
ですから楽譜に書かれてある指番号は綺麗に弾くための方法でもあるんですよ(*^-^*)
2.シンプルな手の動きで弾ける
これはどういうことかと言うと、例えば5本の指をそれぞれ鍵盤のドに1番レに2番ミに3番ファに4番ソに5番を置きます。この状態でドミドと打鍵するなら必然的に使う指は1→3→1になりますね。
これが一番シンプルな弾き方であり、指の使い方だからですね。
わざわざドミドと弾くのに1→2→2なんて指は絶対に使わないですよね(-“-)
とても極端な例をあげましたが、根本はこれと同じことで、手の余計な移動
を無しにシンプルな弾き方ができる方法をあらかじめ作曲家は教えてくれているわけです。
3.純粋に弾きやすさ
弾きやすさと言ったら2と少しかぶってしまうところもありますが、「弾きやすさ」と一言で言っても色々あるんですよ♪
求められる音質を出すための弾きやすさ
例えば、力強い音を出さなきゃならないところを小指で弾いてしまうのは不利とも言えますね。
同音連打の弾きやすさ
また同じ音を単音連打しなければいけない時に、321321321・・・と書いてあることがよくありますが、これも作曲家のイジメではなく思いやりなんですよ。
単音連打をずっと同じ指で弾くのは確かに指を変えなくて済むっていう意味では弾きやすいとも捉えられますが、
指を交互に変えながら弾くことで指は一本の指をずっと使うよりも素早く動かすことができるんです。
勿論ある程度の慣れが必要ですが・・・!
そしてさらに同じ指で連打をすると、どうしても音が荒くなってしまいます。ですからP(弱い音で弾くところ)は、特に同じ指で弾くのは難しくなります。
また指を痛めることにもつながってしまうので、一見弾きにくく感じても、
是非楽譜通りの指番号を試して、最初は慣れなくてもすぐに諦めずに練習を続けてみてくださいね。
さて、ここまでお読みになってくださった方の中は、指番号に対しての印象が少しずつ変わってきたでしょうか(*^-^*)
最初に書きましたが、守らなくてはいけないものだと思うと、なんだか憂鬱に思えてしまうものですが、どうやら守らなくてはいけないものではなくて、守った方が楽に綺麗に弾くことができるものであるという感じがしますね。
そして私たちピアノ講師が「ここ指番号ちがうでしょ!」と注意したくなる訳も少しわかって頂けたでしょうか。笑💦
教材通りに弾いていないから注意しているだけではないんですね。
そして、実は指番号通りに弾いてほしいもう一つの理由があります。
指番号を意識して弾くことがとても大事!
今まで解説してきたこととまた違うことになりますが、
そもそも指番号を意識して練習するということが、実は上達への近道なんです。
どういうことかと言うと、例えば指遣いがデタラメで、毎回弾くたびに指遣いが変わってしまう方いますよね。
そうすると、体が決まった指遣いを記憶できないので、弾けるようになるのにとても時間がかかってしまうのです。
一方毎回指番号意識して、決まった指遣いで弾いている方は、頭も体を記憶するのが早く、上達も早いというわけです。
また、決まった指番号で練習し弾けるようになると、その曲を忘れるのも遅くなります。
一度弾けるようになった曲でも、一定期間弾いていないとすぐ弾けなくなってしまうものですが、頭と体両方で記憶が出来ていれば、忘れるのも遅くなりますよ(*^-^*)
ですから指番号をあなたの上達のためにどんどん利用しましょうね♪